チュチュベビー情報局

2017.02.24 研究発表

「子どもの歯・口の健康」⑤ 【乳歯編】~乳歯の役割~

「子どもの歯・口の健康」⑤ 【乳歯編】~乳歯の役割~

1.食べ物をかみくだいて,消化吸収をよくし,栄養を摂取する

前歯は食べ物をかみ切る,奥歯は食べ物をすりつぶす働きがあります。乳歯が健全であることで,子どもは前歯で食物をちょうどよい大きさの一口量をかみ切って,奥歯ですりつぶしたりして飲み込むという,一連の動作ができるようになるのです。

2.食べる機能の発達を促す

1歳頃に上下の前歯が生えそろうと,子どもは食物をかじりとって口の奥に送り込むことができるようになります。この時期には,手づかみ食べなどで,自分で処理できる程度の一口量を覚えさせるようにするとよいでしょう。
その後,第一乳臼歯が生えてきますが,この歯はかむ面積がそれほど大きくないため,かむことはできても,すりつぶすことはあまりできません。ですから,この時期には,あまり硬すぎるものや繊維性の強いもの,すなわち,生野菜,肉,練り製品などは,あまり上手に食べられません。
2歳から3歳にかけて上下の第二乳臼歯がかみ合うようになります。そうなると,これまでよりも上手に食べ物をすりつぶすことができるようになります。また,食事の時の前歯と奥歯の役割分担がより明確になってきます。
このように,口の中に乳歯が増えるのに従って,食べる機能も発達していくのです。子どもに食事をさせる時には,子どもの歯の生え具合に合わせて,食物の大きさや硬さを工夫して与えるようにしましょう。

3. 発音を助ける

例えば,前歯が1本なかっただけで,ただでさえ発音するのが難しい「さしすせそ」を発音するのがさらに難しくなります。子どもが正しい発音を覚えていくためにも,乳歯を大切にする必要があります。

4. 顔の形や表情を整える

きれいな歯は口元を美しく見せます。また,上下の奥歯がかみ合うと,かみ合わせの高さが増すため,顔つきが「赤ちゃん」から「子ども」へと変化します。

5. 将来生えてくる永久歯の場所や,上下の咬み合わせの関係を保つ

乳歯は後から生えてくる永久歯のためのスペースを確保しています。もし乳歯が虫歯などで本来抜けるべき時期よりも早く抜けてしまうと,抜けた歯の隣の歯が傾いてきて,永久歯の生えるスペースがなくなり,最終的に永久歯の歯並びが悪くなってしまいます。また,前歯が早く抜けた場合には,飲食物を飲み込むときに舌を前に突き出す,といったような歯並びやかみ合わせを悪くするくせがついてしまうこともあります。つまり,良い咬み合わせや歯並びは乳歯を大切にすることから始まるのです。

このように,乳歯は,単に食べることや話すことだけでなく,子どもの口の機能の発達や歯並びやかみ合わせにも深く関わっています。乳歯は生えそろってからすべて抜け落ちるまで,約10年間位使うことになります。この時期は,子どもの身体や精神の発達が旺盛な時期です。お子様の健康な成長のために,乳歯が無事に永久歯に生えかわるまで大切に見守ってあげたいものです。