育児研究室【産婦人科医監修】育児コラム妊娠初期(〜妊娠13週)のみなさまへ
コラム

妊娠初期(〜妊娠13週)のみなさまへ

ChuChuから赤ちゃんのいるご家族に向けて、医師であり、母である産婦人科医の池田先生からのお話をお届けします。

<監修医師>
池田 裕美枝(いけだ ゆみえ)

産婦人科専門医 認定内科医 女性ヘルスケア専門医
京都大学大学院医学研究科健康情報学の博士課程に在籍中。2児の母。


京都大学リプロダクティブ・ヘルス&ライトライトユニット代表、NPO)女性医療ネットワーク副理事長
神戸市立医療センター中央市民病院女性外来、京都大学医学部附属病院女性ヘルスケア外来、二宮レディースクリニック婦人科外来などを担当しています。

    

☆ご妊娠おめでとうございます☆

妊娠初期、喜びとともに様々な不安を感じるのは当然です。 今日は妊娠初期の体の変化やその準備についてお伝えします。

つわり


*つわりは、終わりがある!

つわりは妊娠6〜8週から自覚し妊娠16週くらいで落ち着いて来る方が多いです。妊娠20週には、20人中19人が症状がなくなっているといわれています。 今が辛い方も、きっと終りがある辛さですので、上手に周囲に助けを求めながらやり過ごしてください。

*つわりの症状

つわりは、程度も、症状もさまざま。人によって大きく違うのが特徴です。

  • ・匂いに敏感になる
  • ・疲れやすくなる
  • ・吐き気、嘔吐
  • ・食欲低下
  • ・食べたら良くなる吐き気・・・などが多いです。

*つわりの対処法

食べづわりの方も、1回に食べる量はできるだけ少なくしましょう。あんまり体重が増えてしまうと、今後続く体重管理が大変になります。

全然食べられなくて、赤ちゃんがちゃんと育つのかしら?と心配な方もいるかもしれませんが、大丈夫。この時期、お母さんが栄養ととっても取らなくても、赤ちゃんはどんどん育ちます。ご自身が少しでも楽になるように、無理せず食べられるものだけ、食べましょう。

つわりに効果があるツボとして、手首にある内関というツボが有名です。ボタン付きのリストバンドをつかってこのツボをずっと押しておくことで、重症のつわりの方の入院期間が短縮したという研究もあります。

食事からの水分が入らないと、脱水になり、更に症状が悪化することがあるので、食べられなくても水分だけは取りましょう。水分も吐く、という時にはかかりつけ医院で点滴してもらうのも良いと思います。体重が5%以上減った場合には、重症と判断され、入院での点滴加療が必要な場合があります。 前回の妊娠でつわりがきつくて、ぜひ繰り返したくない・・という方は、vitB6を含んだサプリを妊娠の3ヶ月ほど前から飲んでおくのがおすすめです。ほんの少しですが、つわりを予防する効果が報告されています。

乳房の張り


妊娠初期、胸が張って痛い、気持ち悪い、という方もいらっしゃるかもしれません。妊娠初期には急激に乳腺が発育し、乳房が硬く張ることがあります。 妊娠期から授乳期にかけて、乳房は大きくなりますが、初期の硬い張りは、数週間で落ち着くことが多いです。締め付けない下着を使うなどしてケアしましょう。

性器出血


妊娠初期は、少量の性器出血がおこることがあります。妊娠初期に出血があると、「切迫流産」という病名がつきます。流産や早産が起こりかけているために性器出血がでていることがあるからです。

しかし、約半数は着床の時に子宮内に溜まった血がでてきているだけのもので、流産や早産と関連しません。

出血量が月経の始まりかけや終わりかけのときのような少量のものであれば、翌日にかかりつけ産婦人科に受診しましょう。妊娠初期の出血は、処置が早ければ何かが変わる、ということが殆どありませんので、夜中に緊急で受診しなくても、翌日で大丈夫です。

切迫流産の治療の第一は安静になります。激しいスポーツや遠出は避けるようにしましょう。普通に日常生活を送る程度の活動は問題にならないことが多いですが、それでも出血量が増える場合には内服や入院が必要になることもあります。主治医からの説明をよくきいてください。

今回は、妊娠初期のトラブルやその対処法についてお伝えしました。この時期を乗り切れば、安定期がやってきます。ご自分の体の変化を観察し、それを楽しむ余裕があると素敵ですね!

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