赤ちゃんのガーゼ磨き <ポイントと注意点>
歯が生えてきたら、いよいよ歯みがき開始の時期です。まだうがいが出来ない赤ちゃんの歯みがきについてご紹介します。
赤ちゃんに乳歯が生えてくると「歯みがきについて知りたい!」というパパやママが多いと思います。お口のケア用品や歯みがきに慣れるための練習としてのシリコン指歯ブラシなどは、歯が生えてなくても始めることができます。では、‟歯ブラシ”はいつから使うとよいのでしょうか。始める時期や選ぶポイントなどをご紹介したいと思います。
歯ブラシの機能は先端部の毛束で汚れを落とすことです。ですから、歯が生えてきたら歯面についた食べかすや歯垢を落とすために使い始めましょう。初めから無理に使わなくてもOK。赤ちゃんのお口のケアは、離乳食後に湿ったガーゼでおこなう「ガーゼ磨き」から始め、下の歯が生えるころにシリコンタイプの指歯ブラシも併用しつつ、お口に歯ブラシが入る感覚に慣れさせていきます。
ガーゼ磨きで徐々にお口を触られる感覚を覚えてもらい、慣れてきたら毛束の歯ブラシに移行してあげましょう。
歯ブラシがお口に入ることに抵抗が無くなってきたら、まずは乳歯の表面を歯ブラシの毛先でササッと磨いてあげてください。前歯だけの時期はさほど汚れも多くありませんので、虫歯になりやすい歯と歯茎の境目や、上の前歯の裏側などを中心に意識して当ててみてくださいね。
奥歯が生えてきたら、噛み合わせが虫歯になりやすいので、1本につき約5秒ほどかけてしっかり磨いてあげましょう。
では、赤ちゃん用の歯ブラシはどんなものを選んだらよいのでしょうか。歯科衛生士の観点からオススメの歯ブラシや選ぶ際のポイントをご紹介します。
赤ちゃん用の歯ブラシには、さまざまな大きさや形状、ハンドルの形の違いなどがあり、購入の際に迷われることもあると思います。パッケージの月齢を参考にされるのもよいですが、歯の生え方には個人差がありますので、できれば現状生えている歯の状況や、お子さんの協力状態に合わせて選んであげてください。
赤ちゃんがまだ歯ブラシを持てない時期にパパやママの指にはめて使うタイプです。
メリット:毛束ではなくシリコンでできているので、毛先で歯茎を傷つけない
デメリット:歯が増えてきたらシリコンでは汚れが十分に落とせない
赤ちゃんが握れるようになったら、ハンドルが丸い形状のものや、先端が喉の奥に行かないようにストッパーが付いた歯ブラシを持たせてあげましょう。
メリット:赤ちゃんが口に何かを入れることへの抵抗感なく遊びながら歯ブラシに慣れることができる
デメリット:「汚れを落とす」という観点からはほとんど機能しないので、遊びとパパやママの仕上げ磨きは別でおこないます
歯ブラシの毛束の大きさは、目安として上の前歯2本分程度です。
メリット:赤ちゃんのお口の中は狭いので、すみずみまで届かせることや、できるだけ違和感を軽減するためにも、ヘッドが小さく毛先が短い毛束のものがおすすめ
デメリット:赤ちゃんの歯みがきでは不十分のため仕上げ磨きが必要。磨くというより遊びの感覚なので、歯ブラシの毛先が早めに痛んでしまう
赤ちゃんの歯ブラシは、「歯を磨く」ということだけでなく「お口の中に触れる」ということで育てたい感覚を刺激するという観点からも必要なものです。
歯ブラシによってお口の中を触られる刺激に慣れている赤ちゃんは、歯科医院に通うようになっても際に嫌がらずスムーズに受診できるお子さんに成長します。
成長に合わせて歯ブラシを上手に移行して、お口を開けることに抵抗がないお子さんへ導いてあげましょう。
歯ブラシを嫌がることの原因のひとつに「毛先の開いたハブラシ」があります。
歯ブラシの毛先が開いてしまうと、デリケートな赤ちゃんのお口の中の粘膜や歯茎に当たると痛かったり、傷の原因になることもあります。
刺激に敏感な赤ちゃんは「歯ブラシ=痛いもの」というイメージができてしまってお口を開けてくれなくなるかもしれません。
歯ブラシの交換の目安は1カ月おきですが、まだ1カ月経っていなくても、毛先が開いていたら交換してあげてくださいね。