赤ちゃんの歯医者さんデビューはいつ?
赤ちゃんを歯医者さんに通わせ始める時期やタイミングはいつぐらい?といった疑問についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
フッ素といえば、虫歯予防効果が期待できるものとして、歯科医院でのフッ素塗布や市販の歯磨き剤、洗口剤、フッ素ジェル・スプレーとさまざまな市販品も販売されており、ご存知の方も多いと思います。ただ、いつごろから始めるべきものなのか、どれくらいの頻度でおこなうと効果があるのかなど迷われるパパやママも多いのではないでしょうか?そこで、今回は、フッ素についてオススメの開始時期や成分や効果、安全性などをご紹介したいと思います。
フッ素は虫歯予防効果があると言われている予防薬で、歯が生え始めたら塗布することができるようになります。ただ、1歳未満の小さなお子さんはまだ歯の本数も少なく虫歯のリスクも低いですし、無理にフッ素を塗る必要はないと考えます。
しいて開始の目安を挙げるとすれば、 上下左右の前歯が8本生え揃った(目安として)1歳ごろ。 「歯磨きを嫌がって磨き残しが心配」「甘いオヤツを早い時期から食べている」といった心配ごとがあれば、虫歯予防のために始めてみてはいかがでしょうか?
虫歯予防法として使われているフッ素は『フッ素化合物』という成分です。カルシウムと結びついたフッ化カルシウムや、ナトリウムと結びついたフッ化ナトリウムを歯の表面に塗布することで、含まれているカルシウムやリンといったミネラル成分が、虫歯予防につながる効果を発揮するためのお手伝いをします。
歯の表面は「エナメル質」という硬い層で覆われていますが、食事から受ける酸や虫歯菌が産出するプラーク(歯垢)により溶けやすい組織です。フッ素の成分をエナメル質に塗布することで歯質の密度がアップし、酸に溶けにくい強い歯を作るお手伝いをします。
食事をするとお口の中は酸性になり、歯の表面組織からカルシウムやリンが溶出してエナメル質が一時的に粗造になります。この現象を脱灰(だっかい)といいます。
脱灰は食後に起こりますが、唾液の成分の働きや歯磨き・うがいなどの効果で脱灰し続けることなく修復される仕組みになっています。しかしこの自然なサイクルが追い付かず、常に脱灰したままの状態を繰り返すことで元に戻らなくなった状態が「虫歯」です。
フッ素にはこの再石灰化を促進し、初期虫歯を修復する効果が期待できます。
プラーク(歯垢)は歯みがきができずに付いたままになっていると、虫歯原因菌が増殖と酸の産出を継続し、虫歯をどんどん大きくしてしまいます。フッ素には虫歯の原因菌の活動を抑制する効果があるとされており、塗布していない歯よりも脱灰のリスクを抑えることができると考えられています。
フッ素塗布は歯科医院でおこなうものや、ホームケアグッズを活用するなど、さまざまな方法があります。ただし、歯科医院で受けるフッ素と市販ものでは、フッ素の含有量や使用方法、塗布の頻度などに違いがありますので、お子さんのお口の状況や歯科への協力状況などを考慮して選んであげましょう。
歯科医院で行われれるフッ素塗布に用いられるフッ化物は、厚生労働省より、含有基準が1500ppmのものまで可能とされています。家庭用の最大値よりも高濃度のフッ素塗布が可能で、歯質に摂り込まれた成分の持続効果が3~4カ月程度と言われています。年に3、4回の塗布で効果を発揮すると考えられているため、歯科医院に定期検診で来院されたタイミングで塗布というケースが多いようです。
家庭用に市販されているフッ素は、厚生労働省により、含有フッ素濃度が1500ppmとなっています。お子さんの場合、2歳までは500ppm以下、6歳未満は1000ppm以下が望ましいとされています。もしもご家庭でお子さんが誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないよう含有濃度が薄く、そのため毎日使用することで効果があるように作られています。歯磨き剤に含有されていたり、ジェルやスプレータイプで、歯磨き後にフッ素を再度歯面に塗布するものなどさまざまな商品があります。お子さまが無理なく、日常的な生活習慣の中でフッ素を取り入れることができるものを選ばれると継続しやすくなりますよ。
フッ素はWHO(世界保健機構)で安全性が認められている成分です。さまざまな化合物の形で、フッ素はイワシやエビ、牛肉、じゃがいも、海藻類など、他にもさまざまな食べ物にも含まれていて、日常生活の中でも自然に摂取している成分で多くの食品や飲料にも含まれるミネラル成分ですから、身体に害を及ぼすような成分ではありません。
身体に害の無い食物やお薬でも、適正な量を越えれば身体に何らかの支障をきたす場合があります。フッ素も同じで、一度に過剰な量を摂取してしまうと、嘔吐や腹痛などを起こす可能性があるといわれたり、高濃度のフッ素を長期間継続していたことで斑状歯や骨硬化症を起こした例があり、これらが「身体に有害なのでは?」と誤った認識につながっている理由のひとつといえます。
フッ素で急性中毒を招く可能性として、体重1㎏あたり2㎎のフッ素量を目安に計算します。たとえば体重が10㎏の赤ちゃん(1歳児くらい)の場合で20㎎摂取すると中毒症状を起こすかもしれないという数値です。市販のフッ素配合の商品でフッ素含有量が高めな洗口剤で1本の中に1.6ml含有だったとします。この数値を見るとお解りのように、もしも新品を1本誤飲してしまったとしても中毒症状に至るまでには程遠い数字です。歯科医院で塗布する高濃度のフッ素は、3~4カ月おきに1度しか塗布しませんし、ホームケア用は一度に低濃度のものしか使用しませんので、フッ素中毒の心配はいりません。とはいえ、多量に飲み込んでよいものではありませんので、お子さんの手の届かない場所に保管するようにしましょう。
フッ素の虫歯予防効果は研究結果からも明らかなデータが報告されています。フッ素塗布をすることで、お子さんの虫歯になりやすい歯を守ることができるのです。虫歯になって歯を削ることになるほうが、お子さまへの身体的・精神的負担が大きいと考えます。
歯みがきを嫌がるお子さまや、甘いものが好きなお子さまは、ぜひフッ素の効果を活用して虫歯になりにくい丈夫な歯を育てて行きましょう!